LINEを使ったCRMで売上を高める2つの方法

LINE公式アカウント

ECサイトや実店舗の運営において、CRM(顧客関係管理)が重要だと言われています。

しかし、

「CRMはそもそもどういう意味かな?」
「LINEを使ってCRMはできるのかな?」
「LINEの友達登録を何となく促しているけど、どうやって活用したら良いかな?」

何となくCRMをわかったつもりで運営していても、成果につながりにくいもの。また、LINEを使ってCRMをどのように使うべきか、忙しい店舗運営をしながら考えるのは大変ですよね。

そこで本記事では、

  • CRMについて理解する
  • CRMを活用した売上アップにつながる具体例を知る
  • LINEを使ってどのようにCRMを運営するかがわかる

この3点について、具体例を用いながら解説します。

「CRMは、何か特別な高価なツールを導入しないとできないのでは?」

そう思っている店舗運営者の方にこそ、読んでいただきたい記事です。

ぜひ最後までご覧ください。

 

CRMとは何か?

CRMとは、Customer Relationship Managementの略。顧客関係管理と訳されます。

たとえばネットショップでお客様の内訳として、

  • 未購入だが、メルマガを登録したお客様
  • 初めて商品を購入したお客様
  • 5回以上購入したお客様

このように、お客様1人1人の利用状況は異なります。

5回以上も購入してくださっているお客様に対して、初めて商品を購入したお客様と同じ接客をしてしまっては、残念な印象を与えてしまいますよね。

そのため、本来ならばお客様ごとに対応できるのがベスト。しかし、リソース的に対応が難しいため、画一的な対応をせざるを得ません。

そこでCRMの導入を検討します。

お客様を区別し、最適なアプローチを取るのがCRMの役割。

お客様を、

  • 購入回数
  • 購入金額
  • 直近購入日

このような切り口でグルーピングし、お客様にあった情報提供や接客を行う。その結果、お店とお客様の信頼関係を構築できるのです。

なお、お客様を購入回数や金額、直近の購入日で区分けし、分析する方法をRFM分析と呼びます。

こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

 

LINEを使ったCRMで売上を高める2つの方法

ここからは、LINEを使ってCRMを行い、売上を高める2つの方法を解説します。

  1. お客様に必要な情報を届ける
  2. リードナーチャリングを行う

順番に見ていきましょう。

お客様に必要な情報を届ける

LINEを使ってお客様に必要な情報を届け、売上の向上につなげます。

LINEで友達登録を行なった後に、不要なセールス案内や、自分とは関係のない情報が届くとどうでしょうか。
ブロックや解除につながりますよね。

重要なことは、お客様にとって必要な情報を届けること。

たとえば、美容室を展開する会社でLINEを使ったCRMを行う場合、

  1. お客様が利用した店舗地域を確認
  2. 該当店舗のリッチメニューを表示
  3. キャンペーン情報の配信
  4. お客様が美容室を予約・利用
  5. メンテナンスや次回予約の案内を配信
  1.  

最初のステップで、お客様が利用した店舗情報を取得し、タグ付けを行います。

タグ付けしたお客様に対して、該当店舗の情報を継続的に配信。営業日やヘアスタイルの事例を閲覧してもらうとよいでしょう。

お客様が情報を閲覧した数日後に、クーポンの配信が可能。

配信日はあらかじめCRMツールで設定しておけば、自動配信が可能で手間がかかりません。
お客様にとっては、自分だけの専用クーポンが届くように見えるため、利用率の向上が期待できます。

お客様が予約・利用後のアフターサービスにもLINEを使ったCRMが有効。利用直後のアンケート配信や、数日後に状況を確認するフォローメッセージの配信をすると良いでしょう。

LINEを使ったCRMは、お客様の情報を元に、必要な情報だけを配信。企業から一方的な情報を配信するのではなく、1人1人のお客様に対応できるのです。

リードナーチャリングを行う

LINEを使ったCRMでは、リードナーチャリングが可能になります。

リードナーチャリングとは、リードは見込み客。ナーチャリングは育成ですので、見込み客の育成と訳せます。

LINEに登録したばかりのお客様は、商品やサービスについて興味はあるけれども、すぐに購入を決断できません。そのため、お客様にとって有用な情報を配信し、見込み客からの引き上げをしましょう。

たとえば、健康食品を販売する会社がLINEを使ったCRMを行う場合、初回限定のお試しセットの購入をおすすめするケースを考えてみましょう。

LINEで配信する内容順
  1. 想定されるお客様の悩みに共感
  2. 解決策としてお試しセットの提示
  3. 他社との比較や口コミを提示
  4. 自社の販売実績や第三者機関の見解を提示
  5. 期間限定でお試しセットをご案内
  6. 期間限定のクーポン券を発行
  7. キャンセル可能期間を明示し不安払拭

 

ポイントは、販売したいお試しセットのセールスをかけるタイミングが5番目であること。
最初からセールスをされても、信頼関係がない状態では、購入しようとは思いません。
そのため、ナーチャリング(育成)する観点を忘れずに、配信するコンテンツを考えましょう。

 

最初はお見込み客が抱えている悩みに共感し、他にも困っている人がいることを示します。

次に、解決策としてお試しセットを提示。

使用後のイメージや他社比較、すでに利用されたお客様の口コミも伝えましょう。また、注意すべき点として商品のメリットとベネフィットを提示すると良いでしょう。

メリットとベネフィットの違いは、

メリット:主語が商品

ベネフィット:主語がお客様

健康食品のお試しセットであれば、体調を整えるなどの機能性を伝えるのがメリット。
一方で、体調がよくなり、快適な生活ができるイメージを伝えるのがベネフィット。

悩みが解消された状態で、楽しいことができることをお客様に伝えていきましょう。

メリットだけでは人の心は動きにくいもの。スペックの説明ばかりでは、お客様がうんざりしてしまいますよね。

だからこそ、商品やサービスを利用した後に、どのような未来が待っているのかを伝えるのです。お客様に有用な情報を伝え、信頼関係を作った後でよりお客様に役立つ提案として、セールスをかけると良いでしょう。

 

なお、LINEを使ったリードナーチャリングを行う場合、ステップメールの考え方が参考になります。

ステップメールとは、お客様の行動を起点として、あらかじめ作成しておいたメールを配信するマーケティング手法。

CRMには欠かせない手法ですので、こちらの記事もぜひご覧ください。

 

LINEを使ったCRMを導入する5つの手順

ここからは、LINEを使ったCRMを導入する5つの手順を解説します。

  1. ゴールの設定
  2. 顧客情報の取得と分析
  3. ペルソナの設定
  4. 施策の立案と実行
  5. 効果検証と改善

順番に見ていきましょう。

ゴールの設定

そもそもCRMを導入するゴールを設定していますか?

もしかすると、

  • 他社が導入しているから
  • なんとなくCRMを導入した方が良さそうだから

このような目的でCRMを検討していないでしょうか。

まずはCRMを導入し実現したいゴールを描きましょう。

たとえば、

ゴールの例
  • 資料請求の問い合わせを増やす
  • お客様の満足度を高める
  • 商品のリピート注文を増やす

このようなゴールを設定しましょう。

顧客情報の取得と分析

LINEに登録したお客様をタグ付けし、最適な情報発信の元データを作りましょう。

LINE公式アカウントの場合、友だちで付与できる情報は、

  • 表示名
  • タグ
  • ノート

などです。

しかし、LINEを使ったCRMツールであるLOYCUS(ロイカス)なら、

  • メールアドレス
  • 住所(都道府県)
  • 購入者フラグ

このように、より詳細な顧客情報を管理できます。

なお、LOYCUS(ロイカス)はLINEの公式アカウント運用を自動化・可視化し、メッセージ配信効果を飛躍的に高めるツールです。

気になる方は、こちらをご覧ください。

ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用するユーザーのことです。

ペルソナを設定し、どのような情報を、いつ届けるのが最適なのかを考えましょう。

ペルソナを設定する際の注意点
  1. ペルソナはデータに基づき設定する
  2. ターゲットより詳細に設定する

 

ペルソナは、すでに商品やサービスを購入しているお客様を分析。理想像を描くのではなく、データに基づいて設定します。

理由は、施策の確度を高めるため。
理想と現実のギャップを生むことなく、最適な情報を提供しゴールに導きます。

また、ペルソナは詳細に設定しましょう。
ペルソナに似た言葉でターゲットと対象顧客を表現する場合がありますが、ペルソナは定性的な情報を詳細に描いたものです。

たとえば、

  • 住所
  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 年収
  • 価値観
  • 休日の過ごし方

自社のお客様がどのようなお客様なのか。詳細にペルソナを描いていくことで、施策の確度が上がります。

施策の立案と実行

LINEを使ってどのようなメッセージをお客様に伝えていくかを考え、実行しましょう。

ポイントは、お客様のステータスにあったシナリオを用意しておくことです。

たとえば、雑貨品のECサイトでLINEを使ってお客様にアプローチする場合、どのような施策を打つと良いでしょうか。

 

前提条件
  • 友達登録をしたばかりのユーザー
  • 素敵な雑貨に興味があるが、購入はしていない
  • 何か情報が得られるかと思い、友達登録を実施

 

【施策】

  1. カルーセル表示を使い、アンケートを実施
  2. アンケート結果を元に、顧客情報にタグ付け
  3. 興味関心度が高い情報をリッチメッセージで配信
  4. Instagramとも連動し、雑貨のある暮らしを配信
  5. 期間限定クーポンをリッチメニューに表示

 

1. カルーセル表示を使い、アンケートを実施

まず実施すべきは、お客様にあった情報を配信するためのアンケートです。
興味がある雑貨の種類や好きな色のトーンを聞いても良いでしょう。

2. アンケート結果を元に、顧客情報にタグ付け

アンケート結果でマグカップに興味があることがわかれば、お客様をタグ付け。

マグカップを中心に、コースターやランチョンマットなどの関連商品を提案します。

3. 興味関心度が高い情報をリッチメッセージで配信

提案方法はリッチメッセージがおすすめ。

リッチメッセージとは、LINEのトーク上で画像や動画を組み合わせて配信する機能。

テキストよりも直感的に情報が伝わります。

4. Instagramとも連動し、雑貨のある暮らしを配信

Instagramとも連動することで、世界観をよりお客様に伝えやすくなります。
マグカップそのものを伝えつつも、お気に入りの雑貨に囲まれて暮らしているイメージをお客様に伝えましょう。

5. 期間限定クーポンをリッチメニューに表示

最後に期間限定のクーポンをリッチメニューに表示させましょう。

リッチメニューとは、LINEのトーク画面の下部に表示されるバナーメッセージです。

設定方法はテンプレートを元に、バナーの大きさを決定。画像を作成し、店舗や商品ページへのリンクと限定クーポンを設置しましょう。

クーポンはお客様が関心のあるマグカップに加え、これまで関連商品としてお伝えしてきたカフェ雑貨を対象に割引設定。利用期間を決めて、お客様にアプローチしましょう。

なお、クーポンに記載するお客様へのメッセージは、感謝の気持ちを示すと良いでしょう。

単純にクーポンを発行したことを伝えるのではなく、

  • LINEを読み続けてくれたことへの感謝
  • お客様の暮らしを良くするお手伝いとしてのクーポン発行

このように、クーポンを発行した意味付けを行うのが重要です。

 

効果検証と改善

LINEを使ったCRMを実施した後に、効果検証と改善を繰り返しましょう。

そのために、効果検証するKPIを設定しておくことが重要。

KPIとは、Key Performance Indicatorsの略。重要業績評価指標と訳され、目標の達成度合いを示す指標を意味します。

LINEを使ったCRMの場合、

  • 友達の登録数
  • 友達のブロック率
  • LINEメッセージの既読率
  • リッチメニューに設置したリンクのアクセス数
  • クーポンの利用率

このような指標を継続的に観察し、効果を測定していきます。

設定した目標値に対しての達成率を確認し、

  • 数値が予想通りなのか、偶然なのか
  • 再現性を高める方法な何か
  • 理由を言語化して説明できるか

これらを検証時に意識すると良いでしょう。

なお、LINEを使ったCRMツールであるLOYCUS(ロイカス)なら、設定したリンクのアクセス数が分析できます。

 

リッチメニューに設置したリンクのアクセス数を把握し、タップされているのか確認しましょう。詳しくはこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

効果検証の具体例として、ブロック率が高く、メッセージの既読率が低い場合、

  1. 配信頻度が高い
  2. お客様が求めている情報と配信内容がずれている
  3. どこから配信されてきたのかが瞬時に理解されていない

特に3番目は、お客様が友達登録をしたとはいえ、改めて考えて良いでしょう。

お客様は十分にお店を理解して登録しておらず、他にも多くの友達から日々LINEでメッセージが届きます。その中で、頻繁に自分に関係がない情報が送られた場合、ブロックされるのは当然と言えるでしょう。

配信する冒頭のメッセージで、店舗名を表示させることはもちろんのこと、登録したきっかけに触れてみて、常に思い出してもらえる仕掛けを行いましょう。

効果検証においては、数値に一喜一憂することなく、結果につながった原因を言語化し、仮説を立てて改善を繰り返すことが重要です。

まとめ

本記事では、LINEを使ったCRMで売上を高める方法と、具体的な導入手順についてお伝えしました。

CRMは顧客情報を管理し、お客様にあった情報をタイミング良く伝える基礎です。自社で設定したゴールを実現するために、お客様が求める情報を提供し、信頼関係を構築していきましょう。

 

この記事を書いた人

田中 ひでのぶ

ネットショップ店長出身のWebライター。3児の子育てに奮闘しながらWebサイトのコンテンツを作成しています。ネットショップにまつわる苦労や改善策を執筆し、誰かの役に立てればうれしいです。

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