カスタマージャーニーマップとは?作成方法や活用例を解説

ロイヤル顧客育成

カスタマージャーニーマップとは、お客様が商品を購入するまでの行動や、心理状況を可視化したものです。
カスタマージャーニーの活用は、お客様の状況に最適な施策を打つために必要と言えるでしょう。

しかし、

「カスタマージャーニーマップを、どうやって作って良いかわからない」
「カスタマージャーニーマップは、時間がかかりそう」
「カスタマージャーニーマップを作ったら、どうやって使えば良いの?」

このように、わからないことが多いですよね。

また、カスタマージャーニーマップの作成が目的となり、活用方法にまで考えが及ばない場合があるかもしれません。

本記事では、カスタマージャーニーマップの作り方に加え、活用方法を重点的に解説します。

 

カスタマージャーニーマップを作成、活用することで、

  • お客様がどのようにして商品を買っているのかを把握したい
  • お客様のリピート率を高めたい
  • 少ない人員で効率よくお客様にアプローチをしたい

このような課題が解決できます。ぜひ最後までご覧ください。

 

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーマップとは、お客様が商品と接点をもち、購買に至るプロセスを可視化したものです。

お客様は、商品を認知してから興味関心を示し、情報収集や比較検討を通じて購買に至ります。
この間に、お客様の感情や必要とする情報が遷移するため、企業はその都度アプローチ方法を変える必要があるのです。

そこでカスタマージャーニーマップを使い、俯瞰的にお客様の感情の変化や、現状のタッチポイントを把握。
客観性のある施策を打つために、活用するのと良いでしょう。

 

カスタマージャーニーマップを作成するメリットとは?

カスタマージャーニーマップを作成するメリットは以下の3つです。

  1. お客様を理解できる
  2. 働くスタッフの意識統一ができる
  3. 施策立案が考えやすくなる

順番に見ていきましょう。

お客様を理解できる

カスタマージャーニーマップを作成すると、お客様の理解に役立ちます。

理由は、お客様が自社の商品をどこで認知し、どのような行動を経て購買に至っているのかを、客観視できるためです。

お客様は商品を認知した瞬間に、購買を決定する訳ではありません。他社商品との比較や、口コミなどの情報を収集し、本当に必要だと確信した上で、購買を決定します。

そのため企業側は、お客様が必要としている情報をタイミングよく提供することが重要。

お客様がどのような行動や心理状況なのかを理解していなければ、的外れな情報やセールス一辺倒の情報になってしまうでしょう。

働くスタッフの意識統一ができる

カスタマージャーニーマップを働くスタッフと作成することで、意識統一ができます。

理由は、カスタマージャーニーマップを作成するプロセスで、様々なタッチポイントに気づけるからです。

タッチポイントとは、お客様との接点を示す用語。

たとえば、美容室におけるタッチポイントは、

【例】美容室でのタッチポイント
  • ネット上の広告
  • 店舗の外観
  • 店内の内装や雰囲気
  • 働くスタッフによる接客や施術
  • お礼のメールやハガキ

上記のように、お客様とのタッチポイントは多岐に渡ります。

カスタマージャーニーマップはこの事実を可視化してくれるため、スタッフ全員がお客様のために働いていることを実感できるでしょう。

実は目立たない仕事が、カスタマージャーニーマップの作成により、重要なタッチポイントであると可視化されるかもしれません。

施策立案が考えやすくなる

カスタマージャーニーマップの作成により、施策立案が考えやすくなります。

理由は、お客様が商品を購買するまでの全体像を把握することで、企業側が発信すべき情報とタイミングを考えられるようになるからです。

先ほどと同じように、美容室の例で考えてみましょう。

美容室のweb広告を見たお客様に対して、クーポン券つきの価格表を出していたとしましょう。クーポン券は初めてお店を利用するお客様だけが使える券です。

お客様は広告を見て、お店の存在を認知した段階。

そのため、理想のカットをしてもらえる美容室なのか、口コミが良いのかを把握していないうちに、値下げによるセールスをかけている状態です。

価格に敏感なお客様は、クーポン券の効果で予約を入れてくれるかもしれません。

しかし、お客様が必要としている情報は、

  • 店内はどのような雰囲気なのか
  • スタッフからは話しかけられるのか
  • カット後、やり直しはしてもらえるのか

このように、カット中の様子やアフターサービスについての情報を求めているかもしれません。

打つべき施策はクーポン券の配布ではなく、HPに上記の情報を追加し、お客様に安心感を与えることなのです。

カスタマージャーニーマップにより、 お客様の行動と心理状況を把握し、お客様に寄り添った施策が立案できるようになるでしょう。

 

カスタマージャーニーマップを作る6つのステップ

ここからは、カスタマージャーニーマップの作り方を解説します。

作り方は、以下の6つのステップです。

  1. ゴールを明確にする
  2. ペルソナを設定する
  3. お客様の行動を洗い出す
  4. タッチポイントを洗い出す
  5. お客様の感情や思考を想像する
  6. 施策を考える

順番に見ていきましょう。

ゴールを明確にする

カスタマージャーニーマップを作成するゴールを明確にしましょう。

理由は、最終的に何を目指すのかによって取るべき施策が異なるためです。

決めるべき項目3点
  1. 対象の商品やサービス
  2. お客様のスタート時点での状況
  3. お客様のゴール時点での状況

 

たとえば、美容室でカスタマージャーニーマップを作成する場合、

  • 対象の商品やサービス:美容室の利用
  • お客様のスタート時点での状況:どの美容室を選べば良いか迷っている状況
  • お客様のゴール時点での状況:美容室を利用し、次回も使いたいと思っている状況

このように、お客様の状況変化が明確になると、アプローチの仕方が見えてきます。

 

ペルソナを設定する

ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用するユーザーのことです。

似た言葉で「ターゲット」がありますが、ターゲットをより詳細に描いたユーザーをペルソナと言います。

ペルソナを設定する理由は、カスタマージャーニーマップを作成する全員が、共通のお客様像を理解するためです。

担当者ごとに認識の違いをなくし、ペルソナが求めているニーズを的確に満たす施策を考えましょう。

お客様の行動を洗い出す

ペルソナであるお客様が、スタートからゴールまでにとる行動を洗い出しましょう。

現状把握が目的ですので、まずは思いつくままに書き出します。
もし思い浮かばない場合、実際にお客様と同じ行動をとるのが効果的です。

お客様の行動は、一般的に以下のステップで整理できます。

  • 認知
  • 興味関心
  • 情報収集
  • 比較検討
  • 購買

これらはカスタマージャーニーマップの横軸であり、行動の遷移を示すもの。

お客様が自社の商品やサービスを認知するのがスタート。購買がゴールとなります。

タッチポイントを洗い出す

お客様の行動ごとに、企業側からのタッチポイントを洗い出しましょう。

タッチポイントとは、顧客接点のこと。企業が提供する商品やサービス、コンテンツとお客様が接する機会を示します。

どのような媒体を通じてタッチポイントを設定するかによって、お客様の行動に影響を与え、ゴールにたどり着く可能性が変化します。

タッチポイントは、お客様の行動ごとに設定するのが望ましい形です。

まずは現状を洗い出し、不足している場合は、タッチポイントを追加していきましょう。

なお、タッチポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

お客様の感情や思考を想像する

お客様の感情や思考を想像し、カスタマージャーニーマップに描いていきましょう。

お客様は行動を進めるごとに、感情や思考が変化するもの。
その変化に応じた施策をとるために、お客様になりきって想像してみましょう。

たとえば比較検討の段階では、

  • 「やっぱり価格が安い方が良いかな」
  • 「でも、接客が悪くて失敗したらどうしよう」

このように、プラスとマイナスの感情が交差するはず。

その結果、

  • 「もう少しだけ口コミを見てみようかな」
  • 「どんな接客をされるのか、HPを見てみようかな」

お客様の感情と共に思考が変化するため、全てを書き出します。

 施策を考える

カスタマージャーニーマップを俯瞰し、施策を考えていきます。

施策を考える切り口として、

  • タッチポイントを増やせないか
  • お客様の心理状況に合ったアプローチができないか

これらを考えてみましょう。

 

カスタマージャーニーマップの作成時に注意すること

カスタマージャーニーマップの作成時に注意すべき3つのポイントを解説します。

  1. 見た目にこだわりすぎない
  2. ペルソナを明確にする
  3. 活用を目的とする

順番に見ていきましょう。

見た目にこだわりすぎない

カスタマージャーニーマップは、見た目にこだわりすぎず、状況の洗い出しと施策の立案に注力しましょう。

他社のカスタマージャーニーマップをWeb上で検索すると、整理されて美しいカスタマージャーニーマップが表示されます。

わかりやすいのは良いのですが、重要なのはお客様の行動と心理状況の変化
そして、それに合わせた企業側の施策を立案し、実行することが重要です。

ペルソナを明確にする

ペルソナの明確化は、カスタマージャーニーマップの精度を高めるために欠かせません。

ペルソナが間違っていると、行動内容が変わってしまい、企業側の対策が的外れになってしまうからです。

ペルソナを明確に設定する方法は、データに基づくこと。

アンケートや市場調査を実施し、年齢や性別に加え、なぜ購入していただいたのかをヒアリング。その上で、ペルソナを設定しましょう。

ペルソナは、企業にとって望ましい姿を設定するのではありません。

事実に基づいて設定しましょう。

活用を目的とする

カスタマージャーニーマップは作って終わりではありません。
施策を立案し、実行後にどのような効果があったのかをマップに加筆しましょう。

対策を講じて、お客様がゴールに達成する可能性が高まったのかを検証。変化が乏しい場合は、対策の見直しを実施しましょう。

 

カスタマージャニーマップの活用方法

ここからは、カスタマージャーニーマップの活用方法を具体的に解説します。

タッチポイントを見直す

タッチポイントとは、企業が提供する商品やサービス、コンテンツとお客様が接する機会を示すことでした。

タッチポイントを経ても、設定したゴールにお客様が到達しない場合、見直しが必要です。

 

たとえば、美容室が認知拡大のためにWeb広告を出稿しているとします。商圏を広く捉え、不特定多数のお客様をねらうのであれば、Web広告は有効です。

しかし、美容室が住宅地に立地し、近所のお客様がターゲットであれば、Web広告よりも周辺にチラシを配布した方が良いでしょう。
Web広告とチラシは、どちらもお客様にアプローチする方法。

しかし、タッチポイントが自社のペルソナに合っているのかを考えなければいけません。
また、アプローチを受けたお客様に対して、どのような行動をとってほしいのかを描き、次のタッチポイントを設計しましょう。

たとえば、美容室がWeb広告を出稿した場合、

  • ・広告の出稿先はペルソナと合っているか
  • 掲載される画像やテキスト内容はペルソナに響くものか
  • スマホで見て画像やテキストの大きさは最適か
  • 初めて利用するお客様が、心配や不安になることを払拭できる内容が書いてあるか
  • リピーター様が、前回と同じ内容を素早く申し込みできるか

このように、認知後の行動である興味関心や情報収集を始めるお客様に対して、先回りするように整備していきましょう。

ステップメールを配信する

お客様の行動ごとにステップメールを配信するのは有効です。

ステップメールとは、お客様に対してあらかじめ用意したメールを、スケジュールに沿って配信するマーケティング手法です。

ステップメールは、お客様がある行動を起点に配信タイミングと内容を設定します。

たとえば、美容室のWeb広告をみたお客様が、LINEで友達になってくれた場合。

髪の悩みやお店を選ぶ際に重要視することをアンケート(投票)で数日おきにヒアリング。その結果を受けて、シナリオをいくつか用意しておくと良いでしょう。

なお、ステップメールについて、こちらの記事で詳しく解説しています。

カスタマージャーニーマップを活用するならロイカス

本記事では、カスタマージャーニーマップの作り方や活用方法について解説しました。

カスタマージャーニーマップは作ることを目的とせず、 お客様の行動や心理状況を踏まえ、対応策をとるのが重要です。

 

設定したペルソナを思い浮かべ、ゴールに対してご案内するイメージ。そのために、タッチポイントの設計やステップメールを配信しましょう。

特にステップメールは、カスタマージャーニーマップを作成後に取り入れたい施策

カスタマージャーニーマップを活用し、描いたゴールを実現させましょう。

この記事を書いた人

田中 ひでのぶ

ネットショップ店長出身のWebライター。3児の子育てに奮闘しながらWebサイトのコンテンツを作成しています。ネットショップにまつわる苦労や改善策を執筆し、誰かの役に立てればうれしいです。

LINE運用でお困りの方へ|まるっとおまかせしませんか?|LINE運用のコンサルプラン無料相談できます!|LOYCUS(ロイカス)|資料をダウンロードする
× LINE運用でお困りの方へ|まるっとおまかせしませんか?|LINE運用のコンサルプラン無料相談できます!|LOYCUS(ロイカス)|資料をダウンロードする

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP