すでに定期購入を申し込んでいただいたお客様に対して、アフターフォローはできているでしょうか?
- 定期購入の内容がブラッシュアップされていない
- 定期購入の申し込み後の解約率がわからない
- 定期購入を解約した理由を把握していない
もし1つでも当てはまった場合は、注意が必要です。
新規の定期購入者を獲得することに専念しすぎて、既存顧客へのフォローが不足しているかもしれません。
本来であれば、すでに定期購入を申し込んでいただいているお客様にこそ、手厚いアフターフォローを行いたいところ。そして、ロイヤルカスタマーに育てたいと考えるでしょう。
とはいえ担当者としては、定期購入に申し込んでいただいた時点で安心してしまいますよね。
定期購入者数の増加を目的やゴールとせず、お客様と長期的な関係性を構築することを目指していく考え方です。
最初の問いに1つでも当てはまった方は、ぜひ最後までご覧ください。
本記事の内容
定期購入者について把握しよう
まずは現状の定期購入者について数値を把握しましょう。
たとえば、
- 現時点での定期購入の総利用者数
- 1ヶ月あたりの新規申し込み数
- 1ヶ月あたりの解約数
- 新規申し込み〜解約までの平均利用期間
- 総利用者数に対する新規申し込み率と解約率
上記の数値は月間と年間で把握します。
また、定期購入が複数ある場合は、商品ごとに数値を捉えると良いでしょう。
具体的な数値で当てはめてみると、
- 総利用者数:100人
- 1ヶ月あたりの新規申し込み数:10人
- 1ヶ月あたりの解約数:15人
- 新規申し込み〜解約までの平均利用期間:3ヶ月
- 新規申し込み率は10%、解約率は15%
このような場合、新規申し込みよりも解約率が高くなっているため、商品やサービスに問題があると考えられます。
また、平均利用期間が3ヶ月であることから、3ヶ月目を迎えるまでにお客様へフォローが必要な状況です。
まずは現状の数値を把握すること。
その上で、それぞれの項目ごとに目標値を設定し、差分を埋めていく施策を行いましょう。
定期購入者への具体的なアプローチ方法
ここからは、定期購入者をロイヤルカスタマーに育成する、具体的なアプローチ方法を解説します。
お客様への具体的なアプローチ方法は以下の2つです。
- 配信対象者の絞り込み
- シナリオメールの作成と配信
順番に見ていきましょう。
ロイヤルカスタマーとは、企業や商品に高い愛着( 高NPS )を持ち、商品やサービスを継続的に利用しているお客様( 高LTV )を示します。
LTVとは、ife Time Valueの略語であり、顧客生涯価値を意味します。
1人のお客様が自社の商品を買い始めてから、買わなくなるまでの期間で、どれだけ利益をもたらすかを計算したものです。
NPSとは、Net Promoter Scoreの略語であり、お客様が抱く企業や商品に対する愛着や信頼度を測る指標です。
NPSについて詳しく理解したい方は、こちらの記事で詳しく解説していますので確認してみましょう。
配信対象者の絞り込み
まずは、情報を配信する対象者を選定し、絞り込んでいきましょう。
理由は、お客様の状況に合わせた情報を配信するためです。
読者の方にも、メールやLINEから多くの情報が毎日届きますよね。
そのため、本当に自分が必要とする情報しか読まないはず。
お客様にとっても全く同じであり、画一的なメールやLINEの文章では、お客様が読んでくれることはないでしょう。
そこで、情報の配信対象者を絞り、お客様にぴったりな情報を届けるのです。
具体例として、サプリメントを定期購入しているお客様に情報を届ける場合、利用期間によって配信対象者を区分けしてみましょう。
定期購入の利用期間が、
- 3ヶ月以内
- 3ヶ月以上〜1年
このように区分けしてみます。
そして、それぞれのお客様がどのような感情になっているかを考えてみましょう。
利用期間 / 顧客思考 | 実感 | 不安な点 | 次の行動 |
3ヶ月以内 | 少しずつ効果を感じている | なんとなく良いけど、大丈夫かな | 継続するか解約するか |
3ヶ月〜1年 | 効果を感じている | このまま継続しても良さそうだ | 継続する |
3ヶ月以内のお客様は、少しずつ効果を感じつつも、このまま継続して良いか悩んでいるのが想像できます。
そのため、お客様の不安を払拭し、安心して継続できると思っていただけるコンテンツを配信するとよいでしょう。
一方で、定期購入の利用から3ヶ月以上たったお客様は効果を実感しているため、継続をする意思があると言えます。
そこで、定期購入を継続するメリットや、さらに効果を高める方法を紹介していくと良いでしょう。
このように、情報を配信する対象者を選定し、お客様にマッチした情報を提供することで、
- メールやLINEの解約防止
- 読了率の向上
- 記載した情報(リンクなど)へのクリック率向上
このようなメリットが期待できます。
シナリオメール(メッセージ)の作成と配信
次に、配信するシナリオを作成していきましょう。
シナリオ作成時のポイントは以下の3点です。
- お客様の利用期間に応じた内容にする
- 解約リスクを未然に防ぐ
- 新しく始めることへの不安を払拭する
たとえば、定期購入を利用してから3ヶ月以内のお客様に対しては、解約されることを防ぐことを中心にシナリオを組むと良いでしょう。
そのために、お客様が気づいていないベネフィットや効果を言語化します。
ベネフィットとは、お客様が商品を購入することで得られるメリットや満足を意味します。
- 定期購入をはじめた過去
- 3ヶ月経過した現在
- さらに3ヶ月継続した未来
これらを比較するとわかりやすくベネフィットが伝えられます。
【具体例】定期購入者に送付する効果的なメッセージ
具体例として、膝の痛みを緩和するサプリメントA(機能性表示食品)を販売しているZ社が配信するシナリオメールを考えてみましょう。
定期購入を開始してからの経過日数に応じて、内容を変更します。
1ヶ月目:1ヶ月目であることの認知、ベネフィットの再認識
2ヶ月目:続けていることへの承認
3ヶ月目:改善していることを示すサインと今後のベネフィットの提示
実際のメッセージを見てみましょう。
定期購入を開始して1ヶ月目のお客様へのメッセージ内容
たとえば、定期購入を開始して1ヶ月目のお客様に対して、以下のようなメッセージを送ると良いでしょう。
ポイントは、定期購入をして1ヶ月目であることの認知、ベネフィットの再認識です。
- 文章の冒頭で定期購入から1ヶ月目であることを認知させる
- 定期購入を申し込んだことを承認し、継続を促す
- 定期購入を申し込んだ時の動機を記載し、ベネフィットを再認識させる
このような構成で文章を作成すると良いでしょう。
お客様が定期購入を申し込んだ判断が、間違っていないことを承認し、継続的な利用を促していくのです。
定期購入を開始して2カ月目のお客様へのメッセージ内容
次に、定期購入を開始して2ヶ月目のお客様へのメッセージです。
ポイントは、定期購入を続けていることの承認です。
- 定期購入を継続していることを承認し、追加の情報を案内する。
- 最後に「また◯日後にお会いしましょう!」と記載し、継続的な関係性が続くことを示す。
お客様に対して見守っている印象を与え、サポートし続ける意思を示すと良いでしょう。
定期購入を開始して3ヶ月目のお客様へのメッセージ内容
定期購入を申し込んで3ヶ月目のお客様に対してのメッセージです。
ポイントは、定期購入を申し込んだ時の、動機を記載しベネフィットを再認識させる点です。
メッセージでは、定期購入を申し込んだ時を思い出してもらう文章を入れています。膝の痛みが緩和された後に、どのような暮らしをしたいのか。ここがお客様にとってベネフィットになります。
そこで、
このように、想定される暮らしのイメージを箇条書きにし、お客様のベネフィットが当てはまる内容を記載するのがポイントです。
- 定期購入を申し込んだ時を思い出してもらう文章をいれる。
- 想定されるイメージを箇条書きにし、お客様のベネフィットが当てはまる内容を記載する。
- ベネフィットが少しずつ現実化しており、今後も継続することを促し、解約を防ぐアプローチをする。
まとめ
本記事では、定期購入者をロイヤルカスタマーに育成するための、具体的なアプローチ方法を解説しました。
本記事で記載した具体的なシナリオメールの内容を確認し、ぜひロイヤルカスタマーの育成に役立ててください。
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